多くの病気の治療が可能になり平均寿命が伸びている状況ですが、寿命の延伸と同時に”どのように生きるのか”が注目され始めているようにも感じます。
このサイトの1本目の記事として、ここでは病気を予防するための医学の一分野である「予防医学」の基本について触れていきたいと思います。
予防医学とは
まずは、予防医学の考え方について確認していきましょう。
ここでは主に、予防と早期発見・早期治療、生活習慣病との関連について説明しますね。
予防と早期発見・早期治療
予防医学は、病気の予防や早期発見、早期治療を目的とした医学分野の一つです。
病気になってから治療をするのではなく発症前に予防することを目的としているため、日々を健康に過ごすことができ、病気の重症化も防ぐことができます。
疾病予防の考え方は、1950年代にアメリカの医学者であるレベル(Leavell:リーヴェルとも呼ばれます)とクラーク(Clark)によって示され、以下のレベル・段階に分かれています。
【予防レベル・段階】
- 1次予防…①健康増進、②特異的予防
- 2次予防…③早期発見/即時治療、④能力低下の防止
- 3次予防…⑤機能回復(リハビリテーション)
日本では1920年代に医学の道へ進んだ代田稔(ヤクルトの創始者)によって始まり、1930年に乳酸菌の強化培養に成功したようです。
※このサイトでは①健康増進や②特異的予防に役立つ情報を発信します。
生活習慣病と予防医学
現代社会では、以前の生活習慣から大きく変わったことにより、生活習慣病が増加しています。
生活習慣病とは、不適切な食生活・運動不足・ストレス・喫煙などの生活習慣が原因で発症する病気のことです。
以前は成人病と呼ばれていたのですが、1996年に厚生労働省によって生活習慣病と改称されました。
2000年には厚生労働省から、生活習慣病の一次予防を考慮した「健康日本21」が示され、食生活や運動などをはじめとした9分野において数値目標が定められています。
このように生活習慣病と予防医学には大きな関わりがあるため、病気の予防には健康的な生活習慣を実践することが大切と考えられています。
予防医学の実践方法
では、実際に予防医学を実践していくためにできることを紹介します。
基本的には「食事」「運動」「睡眠」「ストレス管理」が大切になります。
食事
食事は健康にとって非常に重要な要素です。
食生活が乱れることによって、生活習慣病を引き起こす原因となるため、日頃からバランスの良い食事を心がけ、食べ過ぎないようにすることが大切です。
また、栄養バランス以外の観点では、ヨーグルトなどの整腸作用があるものを取り入れたり、添加物の多い食べ物は避けたりすることも、食事において重要なポイントといえるでしょう。
運動
食事と同様に、運動も健康維持には欠かせない要素です。
運動習慣のない方が急に激しい運動をしてもケガにつながったり、習慣として続かなかったりしますので、まずはウォーキングやジョギング、スポーツなどから、自分に合った運動方法を選ぶことが大切です。
適度な運動によって、生活習慣病の予防にもつながるでしょう。
睡眠
十分な睡眠をとることは、健康にとって非常に重要です。
睡眠不足はストレスを増加させるだけでなく、満腹を知らせるホルモンであるレプチンが分泌されくくなって食べすぎてしまうなど、生活習慣病を引き起こす原因にもなります。
適切な睡眠時間を確保することで、健康的な生活を送ることができます。
ストレス管理
現代社会ではストレスが常に付きまとっています。
精神的なストレスが多い環境で生活すると、細菌やウイルスの侵入を防ぐIgAの量が唾液中から少なくなり、免疫力の低下につながります。また、寒さなどによっても免疫力が低下することが分かっているため、物理的ストレスにも注意が必要でしょう。
日頃から趣味を楽しむ、マッサージを受ける、瞑想など、自分に合ったストレス解消方法を見つけることが大切です。
まとめ
今回は予防医学の基本的なことについて説明しました。
触り程度ですが、基本をおさらいするために役立てていただけたら幸いです。
<参照元>
QOL向上のために歯科医療にできること(MI21)http://www.mi21.net/qol/ability/precautionary_approach.html
ヤクルトの想い(株式会社ヤクルト山陽)
https://yakult-sanyo.jp/mind/
不眠と生活習慣病(武田薬品工業株式会社)
https://www.tainaidokei.jp/disease/5_4.html
免疫力を下げる生活習慣(免疫navi:大塚製薬)
https://www.otsuka.co.jp/men-eki/lower-immunity/stress.html
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